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SG世界線のはずが鈴羽もいたりしますが気にせずplz。
γ世界線とかそんなイメージで。



「鬼は外!」
「痛!っっっっっいきなり何岡部ッ!」

ラボに入ってきた我が助手に、突然マメを投げつけてやったら、すごい顔になった。
いかん、目がマジだ。キッチンに手が伸びている。

「ま、待て、今日は、せ、節分だ。10歳くらいまで日本にいて知らない訳がなかろう!」

海馬にフォークは勘弁してくださいお願いです。

「……ああ、豆まきね。」

助かった……。我が助手は相変わらず目が怖いが、開頭は勘弁してくれたようだ。

「じゅ、10歳!うほぉ、小五ロリ来ましたー!」
「黙れHENTAI。」

寒いのにダルは熱いな。

「トゥットゥルー☆買出し終わったよ~。」
「あ……おか、凶真さん、こんにちは。」
「ニャ~」
「こん…にちゎ……」
「おっはー!……あれ、昼は何だっけ?」

おお、タイミングがいい買出し組。助手の顔も一気にゆるむ。

「さーて、ラボメン集合だ!ではここに、第327回円卓会――」
「岡部の挨拶は長いからいい。」

ぐっ。また怖い顔に戻った……。

「えっと……イワシ焼いちゃいますね……。」
「じゃあ僕は鬼のカッコするお!」

「よ、よし、じゃあ他のメンバーは、豆まきの準備だ!」

くそう、やりにくい。出鼻をくじかれると、こうもやりにくいとは。

「あ、ねえ岡部倫太郎、まいた豆あとで貰っていい?」
なんだ鈴羽、食べる気か?
「うん。」
マジか。

――そんなこんなで。

『鬼は外!』

赤シャツまで来て気合い十分なダルに、ラボメンガールズがマメを浴びせる。

「ふおっ!もっとそんなんじゃ鬼は追い払えないよ常考!」
ダルはものすごく乗り気だ。

『福は内!』

我が助手も始めは困惑していたが、だんだん慣れて来たようだ。

「面白いけど、マメもったいないなあ。」
バイト戦士よ、投げるより食べる方が多いぞ。

「せっかくの機会だし、思いっきりやるといい。ダルも乗り気だしな。」
「オカリンナイス!フェイリスたん、鬼は外の所、マメも声も思いっきり!」

「じゃ、遠慮なくいくニャ。鬼は外ォ!ニャ!」
「ふおっ!これなんてご褒美?」

それこそべちんべちんと、ダルの体に激しくマメがぶつけられる。ダルは嬉しそうだが。

「まゆしぃも~。それ、鬼は外~!」
「はぉ!も、もっと!鬼ってこんなに幸せなの!?」

ああ、ダルが鬼役やりたいとはそういうことか。
ダメだこいつ、早く何とかしないと……。

「では、この俺も参加させて貰うとするか。」
「あ、オカリンはいいです。」

なん……だと……。
ええい笑うなクリスティーナ!

「イワシの胴は飾らないの?じゃあたしがもらっちゃうね。」

いつからまゆり以上の食いしん坊キャラになったのだ、バイト戦士よ。

「……岡部くん……」
ルカ子以上に消え入りそうな声で話しかけてきたのは、萌郁だ。
手のひらにマメをのせている。
さっきから妙に深刻にマメをつまんでは数え、つまんでは数えていた。

「……お豆…なんだけど……。」

ん?なんだ?
この指圧師は最近しゃべれるようになってきたものの、会話速度があまりにも遅くて大変だ。

「……年の、数え方、って……。」
「ああ、数え年か。今年の年齢+1だ、そうだよなルカ子?」
「えっ、あっ…はい……数え年は、実年齢に一つ足したものです…。」

俺とルカ子の答えを聞くと、萌郁はまたしてもマメを数える作業に戻ってしまった。

「…………。」

真剣だ。真剣に数えている。
どのくらい真剣かというと、まるで携帯をいじっている時のようだ。

「どうしたのだ、そんなに必死になることは―――」
「やめなさいバカ。」
助手に引っ張られた。何だ?焼き餅か?
「あんたって……はぁ、乙女心なんて理解できないか、厨二病なんかに……。」

ひどい呆れ方をするな。そういうお前は何だ。
恵方巻にざっくりフォークを突き立てて。恵方巻の食べ方も知らないのか。

「別にいいでしょ!何となく、箸とか手づかみには抵抗があるのよ、向こうの癖でね。」

そういって恵方巻をほおばろうとする我が助手。ああ、そうじゃなくてな。

「よし、食べ方を――」
「僕が教えてあげるお!」

ダルが突然飛び込んできた。今日は元気だなダルよ。

「……橋田も知っているの?」
「当然!まあ牧瀬氏がオカリンに食べさせて欲しいなら別にいいけど……。」
「やめい!何で私がそんな……いいから教えて。」

むう、ダルがなぜ、こんなことに夢中になっているのか気になるが、まあいいか。

「恵方巻は、その名の通り縁起のいい方向を向いて食べるものだお!で、今年の方向は……」

ルカ子、頼む。
「えっ、あ…はい……2011年の恵方巻を食べる方角は、『南南東』です……。」
「こっち側だお!」
ダルがもう南南東の席に着いている。お前を見ながら食えというのか。というかなんだその手際の良さ。

「…………。」
我が助手も興味半分、ダルに困惑半分といった顔だ。

「で、で、恵方巻は、別名『丸かぶり』と言って、一気にかじりつくものだお!ささ、牧瀬氏牧瀬氏、こう、手で握りしめて……。」
「こ、こう?」
持ち方まで指導し始めるダル。なんなんだお前。
助手に右手で恵方巻を握りしめさせる。ダル、なぜ興奮気味なのだ?

「そ、そうそう!で、で、これを丸ごとがぶりと……。」

「んっ、ちょっと太いけど……。」

あーっと口を開けて恵方巻をほおばる助手。何だこのエロスな感じ……。
というか、何か思い当たるような……ああ!まさかダルよ!!

「ふおぉーーーーっ!キダコレ!たまらん!ワッフルワッフル!!」

「ダル!!貴様なんということを!」

いきなり立ち上がって悶絶し始めるダル。ダルの興奮の理由がやっと分かって、思わず叫ぶ俺。

「え、え、オカリンどうしたのぉ?まゆしぃびっくりだよ~。」
まゆりが目をぱちくりしている。
助手も恵方巻をくわえて困惑していた。が、ちょっとずつ思考が回り始め……

「あーーー!!このHENTAI!氏ね!吊ってこい!ああーーーーーーー!!」

それこそ「ボン!」と効果音をつけたくなるほど一気に真っ赤になる助手。
涙目で恵方巻をダルに投げつけ、さらにマメもばしばし投げつける。

「やっぱりダルニャンは変態さんだニャ~。」
「え?なに?恵方巻の食べ方ってあってたよね、るかちゃん?」
「えっと…持ち方はあんなに細かくないけど……。」
フェイリス以外は分かっていないようだ、少し安心した。

「まさか台詞付きになるなんて!いただきました~!」
「だっダル!今のはさすがの俺でもアウトだと思うぞ!」
「あーーーー!もうやだこのHENTAI!」

何という孔明、さすがダル、スーパーハカー!
してやられたぞ!我が助手を罠にはめるとは!

「牧瀬氏も何か分かったなら、立派なHENTAIだお!」
「そっそれはっ!」

「???とりあえずあたしも恵方巻食べちゃっていい?」
「……。」はむはむ

しかもベストポジションで紅莉栖の顔を見て!くそっ、過去の俺に警告してやりたい!
よい子とラボメンガールズは、変なことを想像しちゃダメだぞ!

「ああー!タイムマシンつくって過去の私に警告したいわ……。」
「クリスティーナ、それはやめておけ。」
さらりと怖いことを言う。バイト戦士もちらりとこちらを見る。
もうあんなことはこりごりだからな。

「ま、まあなんだ助手よ。そんなに落ち込まなくても、俺が福を呼び込んでやるから。」

『惚気発言キターーーー」ニャ~~~~」

くそう、この夫婦め。俺が紅莉栖を慰めている所へ。

「う、お、岡部、約束だからな。」
お前も急にどうしたんだ、助手よ。

「何か結局オカリンと牧瀬氏の惚気を手伝っただけな悪寒。」
ダルよ、お前のせいだお前の。

「バレンタインも近いしねぇ。えっへへー。」
「傷ついた彼女を励ます方法かー。あたしも相談乗るよ。」
「……岡部くんの……がんばりどころ……。」

なんだこの空気は。
あ…ありのまま 今日起こった事を話すぜ!
『俺はラボメンで節分を楽しんでいたと
 思ったら惚気話をさせられていた』

結局俺が紅莉栖をどう慰めたらいいとか、バレンタインにどうしたらいいといった話をする場のまま、節分の日は終わってしまったのだ……。
紅莉栖もその晩メールで変だった……。
俺はこんな混沌は望んでないのだが……。
そもそも俺が原因ですらないのだが……。