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 ラボにて

「あ、そうだ岡部明日私来れないから。一応言っとく」

「え~クリスちゃんあしたいないの~まゆしぃはとってもさびしいのです」

「なにか用事でもあるのか?」

「こっちの研究者と食事をするの」

「学食でか?」

「なんで学食なのよ。Wホテルのディナーに招待してもらったの」

「ホテルでディナーだと、相変わらずのセレセブぶりだな貴様。それなら昼来れるではないか」

「いや、だから招待されたって言ってるじゃない。明日は美容院行ったりとか準備が色々あって忙しいの」

「爺さん相手にめかしこんだってしょうがないだろうが」

「招待してもらっているのに失礼な格好で行ける訳ないでしょ。それと招待してくれたのは年配の先生だけど食事をするのは若手の研究者よ
 若手同士が交流する場をセッティングしてくれたの」

「・・・相手は女性か?」

「?男性だけど。藤川優って人。将来有望の若手研究者って話。論文読んでみたんだけど面白い考え方ができる人ね」

「あーまゆしぃその人知ってるよ~。イケメン過ぎる研究者だよね~♪」

「イケメン過ぎる研究者?なにそれ」

「春頃ワイドショーとかで騒がれてた罠。ちょっと調べてみるお。えーっと、

 藤川優T大大学院生24歳。実家は田園調布で父は高級官僚、母は資産家の娘。趣味はフットサルで細身ながら筋肉質、『研究に煮詰まったときに
 汗をかくとアイデアが浮かぶんです』(本人談)。好みのタイプはお互いを刺激し高め合えるような女性『お付き合いしていた女性がいたのですが
 研究ばかりしていたので振られてしまいました。新しい出会いに期待しているところです』(本人談)。

 だってお。なにこの完璧超人、リア充ってレベルじゃねーぞ」

「へー、こういう人なんだ。日本って変なことで有名になるのね」

「明日合う人間なのに情報が無いのか?」

「顔とか名前、研究してる分野とかは知っているけどプライベートなことなんか知る訳ないじゃない」

「まぁそれもそうか。・・・ところで明日のディナーは楽しみ・・・だったりするのか?」

「そうね、こっちに来てからチーム以外の研究者と話す機会って殆どなかったから結構楽しみかも。さてとそろそろ帰るわね」



「ダル、まゆり明日の夜は空けておけ。クリスティーナを見張るぞ」

「なんで?」

「ダルくんダルくんオカリンはね、クリスちゃんのことが心配なんだよ~」

「半分正解っといったところだなまゆり。俺が心配しているのは助手の頭脳だ。ヤツの頭脳はラボの貴重な財産、最高学府ごときに引き抜かれる
 訳にはイカンのだ。故に近くに待機し不測の事態に備えるというのが今回の計画だ。作戦名はオペレーション・イージス」

「最強の護り屋ですね、わかります。アナたんハァハァ・・・」

「フッ、『お前の牙は届かない』ということだ」

「あしたはホテルでごはんか~。ジューシーからあげナンバーワンはあるかな~♪」

「いや、あるわけないじゃん。そもそも入れない罠」

「クリスちゃんが心配だから入れてください。ってホテルの人にお願いすればだいじょうぶだよ~」

「まゆ氏入れてくださいってもう一度言ってみて、お願いしますって感じで」

「下らんことを言わせてるんじゃないダル。それとその件に対する解法は既に俺の頭の中にある。だから安心するが良い
 おまえ達は俺に全てを任せただ明日に向け英気を養っておけば良いのだ!フゥーハハハ!」



 翌日大学内にて

「さぁ行くぞダル」

「あ、僕今日はメイクイーン+ニャン2寄って行くからラボへは先行ってて」

「ダルよ、オペレーション・イージスの事をもう忘れたのか?これから行くのはラボではなくホテルだ。それと今日メイクイーンに行っても
 フェイリスはいないぞ」

「オカリンなに言ってるん?僕の作ったフェイリスたんスケジュール表が間違っている訳ないじゃん」

「その予定は昨日変更になった。もし今日フェイリスがメイクイーンに居たらお前に出張メイクイーンInラボをプレゼントしようではないか」

「フェイリスたんが休む訳ないじゃん。ちょっとメイクイーン+ニャン2に確認してみるお」

「(プルルルプルルル)あ、もしもし今日フェイリスたんお店出るよね?・・・えっ、休みなん?あ、そう急に変わったんだ・・・」

「納得したようだな。では行くぞ」


 都内貸衣装屋にて

「よし、ついたぞ」

「あれ?ホテル行くんじゃないん?」

「お前はその格好で行くつもりなのか?潜入調査には変装が必須。ここで衣装を用意するのだよ」

「あ~オカリンだ~。今日ね~すごかったんだよ~。黒くておっきい車でフェリスちゃんと執事さんがまゆしぃを迎えに来たんだ~♪」

「まゆりまだ着替えてないのか?今日は時間が無いのださっさと済ましておけ」

「今服を選び終えたところニャ。これからセットするところニャ」

「フェイリスか。今日は色々とすまんな」

「キョーマの頼みは断れないニャ。それにこれはキョーマだけの問題じゃないニャ。これはアキバに眠る天魔とそれに敵対する四候の・・・」

「今日は忙しいのでな、その話しはまた今度だ。ダル俺達も着替えるぞ」


 Wホテル22階レストランにて

「オカリ~ンすごいね~、おそとの景色がブワーッてなってるよ~♪」

「ネコミミチャイナドレスのフェイリスたんが神すぎて僕がヤバイ!」

「落ち着けまゆり、そんなに騒いだら目立つだろうが。ダルお前は自重しろ。イケメン過ぎる研究者は来ているが紅莉栖はまだか
 同席しているのは招待した先生か?あちらからは見にくくこちらからは見やすい。完璧なポジショニングだぞフェイリス」

「メイドたるもの常に完璧たれ。これアキバの常識ニャ」

「え~そうなんだ・・・。まゆしぃはそんなことちっとも知らずにお仕事してました・・・」

「まゆ氏大丈夫。しっかりメイドさんもおっとりメイドさんもドジッ子メイドさんも巨乳メイドさんも貧乳メイドさんもロリっ子メイドさんも
 ちょっとエッチなメイドさんもすごくエッチなメイドさんもメイドさんはすべて平等なんだお。唯一のルールはフェイリスたんがナンバー1
 ただそれだけだお」

「下らんことを話しているんじゃない。細心の注意を持って見張るのだ」

「あっ、オカリン。クリスちゃんが入ってきたよ~」

「む、どれどれ・・・。な、なんだあの服は!?」

「なにってただの黒のロングドレスニャ、スタンダードなデザインで質は結構良さそうだニャ」

「ただのドレスって俺は初めて見るぞ!」

「イブニングドレスだから普段着ないニャ。たぶん着る機会が無かっただけニャ」

「しかし髪型も違うし肩が見えてるではないかッ!あれはいいのかあれは!?」

「あれは夜会巻きニャ。髪型もドレスも一般的なものだから特に意味はないはずニャ。そろそろ料理が来るから食べて落ち着くニャ」

「手ぇ握った!あの男紅莉栖の手を握ったぞ。これが落ち着いていられるか!」

「オカリンもちつけ。アレただの握手だ罠。それよりどのフォーク使えばいいのかわからん。教えてフェイリスたん」

「まゆしぃもさっぱりなので、教えてほしいのです」

「ナプキンはこうしてフォークとナイフはこっちから使うニャ。キョーマ聞いてるのかニャ?」

「ああ聞いてるぞ。あの男さっきからニヤけた顔で紅莉栖に話しかけているな、もっと研究者らしくしかめっ面をせんか!
 ん?老先生が立ち上がったぞ・・・入り口でコートを受け取っただと!?あの男監督者としての責任を放棄するのか!」

「オカリンオカリン。お料理来たよ~。すっごくきれいですっごくおいしいよ~♪」

「確かにおいしいけど量が少ないのとオシャレすぎるのでデブヲタの僕にはツライ罠」

「ダルは大変だな。紅莉栖のヤツいつもの不機嫌そうな顔はどうした。ニコニコしてるから男が調子に乗るというのに!」

「笑顔も社交辞令みたいなものニャ。あの子結構場慣れしてるみたいだし深く考えなくてもいいと思うニャ」

「新しい料理がきたよ~。今度もおいしそうできょうのまゆしぃはとってもしあわせなのです」

「そうかまゆりは幸せか、それは良かったな。紅莉栖まだ笑顔だな。もしかして結構楽しんでいるのか?そういえば昨日楽しみだとか言って
 いたな・・・」

「料理おいしいけど水じゃ物足りないお。いい料理にはキンキンに冷えたダイエットコークだろ常考」

「コーラは無いニャ。でもスパークリングウォーターなら有るニャ。ダルニャン注文するかニャ?」

「もちろんですとも。フェイリスたんのおすすめなら間違いないお」

「キョーマはどうするニャ?キョーマ聞いてるのかニャ?キョーマ!」

「ああ、すまん少し考え事をしていた」

「オカリン急に黙ってどうしたん?料理も全然減ってないじゃん」

「紅莉栖の表情がな、色々と変わるんだよ。笑ったり、感心したり、考え込んだり、納得したりな。それを見てるとなんか充実してるなって
 見えてきてちょっとな。・・・すまんが用事を思い出した俺は先に帰るからお前らは楽しんでいってくれ」


 再びラボにて

「ん?ラボの電灯が点いているな。朝消し忘れたか?まぁそんなことはどうでもいいか・・・・・・」

 ガチャ

「岡部遅い!」

「く、紅莉栖!?なんでお前がここに?」

「まゆりからアンタが落ち込んでるって聞いたからプギャーってしてやろうと思ってディナーを切り上げてラボに来たのに
 なんでこんなに待たせるのよ!」

「ディナーを切り上げてか。楽しんでいるところを邪魔してしまったか悪いことをしてしまったな。すまんこの通りあやまる」

「素直にあやまるなんて本当に落ち込んでるのね・・・。なにが有ったのか話してみなさい。私に関係有ること?」

「・・・お前には・・・関係・・・無い」

「嘘つくな。視線が凄く泳いでいるし。そもそも私の食事を覗いて落ち込んだんだろ、どう考えたって私が関係有るじゃない」

「なんでお前を見張っていたことを知っているのだ?」

「さっきまゆりから聞いたって言ったじゃない。食事をしてたらいきなりまゆりが出てきたからビックリしたわよ」

「そうか・・・しかし情けない話しなのでな・・・」

「人の食事を覗くなんてみっともないことしているんだから情けないも何も無いわよ。それにアンタ前に言ったわよね悩みなら何でも聞くって
 それは私も一緒。だから話しなさい」

「・・・わかった話そう。しかしかなり女々しいしまとまりも無い話になる。途中で聞くに耐えないと思ったら帰ってくれても構わん」

「最後までちゃんと聞くわよ。安心して話しなさい」

「落ち込んでいる理由というのはだな。その・・・お前がここからいなくなってしまいそうに感じたからだ
 お前のアメリカでの居場所は研究所だ。天才研究者なのだから当たり前の話しだな。しかし、日本ではここに居てくれている。お前の才能を
 活かせる環境とは言えないここにだ。それは日本での研究者との繋がりが無かったからかもしれない。そんなお前の前に自身の才能を活かせる
 環境が現れたらお前はそっちに移るのではないか?今日の活き活きとしたお前を見ていたらそう思えてきてしまってな」

「オーケー理解した。最初に言わせてもらうけど私の居場所は私が決める他の誰かが決めるものではないわ。その上で今の私が思っていることは
 私の日本での居場所はここってこと。日本での充実した研究環境ってのたしかに魅力的だし色々な刺激を受けられるわ。でもその性質は向こう
 と一緒、でもこのラボは違う。アンタ達のやっていることは下らないし無駄が多い、だけど受ける刺激は研究者のモノとは全く異質。この経験
 は代え難い財産になるはずよ。それに私はここが気に入っている。全く理論的な結論じゃ無いけどね。だからアンタが落ち込むことはない」

「そうか、良かった。今凄くほっとした。大分落ち込んでいたのだな気付かなかったよ。結局俺はいつまでも紅莉栖とここで一緒に居たいと思って
 いるだけなのかもな」

「!?・・・・・・///」

「どうした?急に顔を赤くして?」

「いや、だって急にそんなこと言われても困・・・りはしないけど・・・心の準備っていうか・・・」

「?・・・!・・・///いや、一緒に居たいというのはだな・・・当然そういう意味もあるが今回はだな・・・自分の情けなさというか・・・」

「な、なによ今さら聞かなかったことにするとかできないからな」

「し、しかしだなこういう事はもっとちゃんとした流れで言うべきだろうッ」

「ちゃんとした流れってなによ」

「例えばどこかに出かけた帰り道とかなんかこうロマンチックな感じでだな」

「だったら私を誘って出かけなさいよでロマンチックな帰り道でもう一度聞かせて。そうだ食事に連れていきなさい。今日の食事潰したんだから
 その帰り道でもう一度聞いてあげる。あ、サンボとかは駄目だぞ。岡部がちょっとがんばったなって感じのところにしなさい。ホテルのレスト
 ランとか無理したところじゃなくて、でも岡部が私のためにがんばったて感じがするところがいい。明日までに考えておきなさいよ」

「お前と食事に行くのは願ったり叶ったりだ。ただ行先については二人で考えないか?俺はお前のことをもっと知りたいんだ。だからなにが
 食べたいとかどこに行きたいとか聞かせてくれないか?」

「そ、そんなこと言って本当は行き先が決められないだけだろ、そ、そういう事なら相談にのってあげる。それに私もアンタの考えてることに興味
 あるし。ってこれは中二病患者の脳がどうなっているかっていう研究者としての興味だからな!」

「了承してくれるか、嬉しいぞ。で、もう一つ頼みがあるのだが・・・」

「な、なによ」

「コートの下はドレスだよな?お前のドレス姿が見たいのだ・・・ダメか?」

「そ、それはここでコートを脱げ。ということか?どうしてもか?」

「ああ、ぜひ見たい。と言うかイケメン過ぎる研究者だけが見たという状況に我慢できない」

「わ、わかった。そのかわり岡部もコートを脱ぎなさいよ。あと後ろ向いてなさい。私だけが脱ぐのも脱ぐところを見られるのも恥ずかしいんだ
 できないっていうんなら脱がないからな!」

「分かった。では終わったら声をかけてくれ」

「絶っ対振り向かないでね!もし振り向いたら海馬取り出して前衛的なオブジェにするんだから!」

 シュル・・・シュル・・・

(服を脱ぐ音って結構やらしいんだな。振り向いてみたい気もするが・・・。本気で怒るだろうしなぁ)

「もういいわ。でもあんまりジロジロ見ないでね。その・・・恥ずかしいんだから」

「!・・・・・・!?・・・・・・・・・・・」

「ジロジロ見るなって言っただろうが!黙ってないでなにか言いなさいよ。アンタが見たいって言ったんでしょう」

「!・・・・・・!?・・・・・・・・・・・」

「ジロジロ見るなって言っただろうが!黙ってないでなにか言いなさいよ。アンタが見たいって言ったんでしょう」

「ああ・・・その・・・似合っているぞ。綺麗な肩だ・・・」

「か、肩はドレスと関係ないでだろ!やらしいこというな!」

「つ、つい思ったことが口から出てしまっただけだ。仕方ないだろう!そ、それより俺の格好はどうなのだお前がコートを脱がせたのだぞ」

「け、結構似合ってるわよ。髪もちゃんとしてるし髭もそってるから格好良く見えたりしてるかも・・・」

  グゥ~~~~~

「なんでこのタイミングでお腹が鳴るのよアンタは」

「今日は朝からなにも食べていないのだ仕方ないだろう」

「さっきまでレストランに居たじゃない」

「お前が心配で食事どころではなかったのだ、察しろ」

「はぁー、もういいわ。話し続ける空気じゃないし私そろそろ帰るわね」

「そうか、今日はその色々とすまなかったな」

「別にいいわよ。いいことも聞けたしね。それじゃ、おやすみなさい」

「ああ、おやすみ。また明日」


 さらに翌日、三度ラボにて

「では行き先は横浜中華街で決定だな」

「食事楽しみにしてるから。それにロマンチックな帰り道も」

「フッ、任せておくが良いフゥーハハハ」

「固有結界がさらに強大になっている件について。イケメン過ぎる研究者が振られてメシウマなのか、オカリンがリア充すぎてメシマズなのか
 よくわかんね」

「キョーマ達は中華街へ行くのニャ?だったらフェイリス秘蔵のチャイナドレスを貸してあげるニャ。これを着ればキョーマはさらにメロメロの
 キューニャ」

「クリスちゃんチャイナドレス着るんだ~。クリスちゃんかっこいいからすっごく似合うよ~♪」

「いや、着ないからチャイナドレス。フェイリスさんには悪いけどチャイナドレスで観光なんて恥ずかしすぎて無理」

「そうか・・・着ないのか・・・orz」

「ほ、本気で落ち込まないでよ。軽く罪悪感感じちゃうじゃない」

「そうだキョーマこれ昨日の請求書だニャ」

「ああ、何から何まですまんな・・・ってなんだこの金額は!?」

「4人分の食事代と衣装代だからこんなものニャ」

「4人分って全部俺が払うのか?」

「フェイリスはキョーマに頼まれて色々と手配したニャ。食事くらい奢ってもらって当然ニャ」

「オカリンが全て任せろって言ったお」

「まゆしぃは学校が忙しくてあんまりバイトができないのです」

「うわっ、結構な金額ね。中華街延期にする?」

「いや大丈夫だ。バイトを増やせば済むだけのことだ」

「無理しなくてもいいのよ。大変だったら私も少しくらいなら出せるし」

「お前は中華街を楽しみにしているのだろ。俺も楽しみだ。そのことを考えればバイトを増やすなど苦でも何でも無いさ」

「岡部・・・。アンタがそんなにがんばるのなら、私もがんばる。がんばって食事の時にチャイナドレスを着てみるから中華街必ずいきましょう!」

「お前は中華街を楽しみにしているのだろ。俺も楽しみだ。そのことを考えればバイトを増やすなど苦でも何でも無いさ(キリッ)だってお」

「オカリンとクリスちゃんはなかよしさんだね~♪」